石膏ボード

最もよく知られている遮音材は「石膏ボード」です。不燃材であるため、多くの現場で使用されています。

ですが、その遮音特性を全く知らないで使用されることが多く、失敗事例も多いようです。下の画像は石膏ボードの厚さに応じた透過損失とコインシデンスについて分析されたものです。

専門的な防音材の大半は重ねると防音効果が向上しますが、石膏ボードは単純に重ねて施工しても逆効果になる周波数帯が生じます。例えば、石膏ボード9.5ミリを1重だけ施工していた状況では比較的高い周波数の音漏れが気になっていたのが、石膏ボード12.5ミリを重ねて施工したところ、比較的中音域に近い周波数帯での音漏れが悪化することがあります。(下のグラフを参照)

石膏ボードのような硬質遮音材は単純に重ねるだけでは相乗効果が出ないだけでなく、コインシデンス周波数が低いほうへずれてしまい、今まで気にならなかった周波数の音が気になるようになります。防音設計においては、面密度の大きな専門の軟質遮音材を併用することが必要になります。